furnyaをつくる人vol.4 東大建築発ベンチャーとしての猫×インテリアへのこだわり

furnyaをつくる人vol.4 東大建築発ベンチャーとしての猫×インテリアへのこだわり

Cat Cellarをはじめとするfurnyaブランドのプロダクトは複数の専門家の協業により作られています。今回はfurnyaブランドを運営する株式会社カミカグの代表和田亮佑氏に話を伺いました。

-普段のお仕事について教えてください

カミカグは文字通り「紙」の「家具」。紙素材を用いた家具・インテリアの企画・製造・販売を目的に生まれた東京大学での研究を起点に生まれたベンチャー企業です。

現在は「猫と暮らすインテリア」を掲げるfurnyaブランドをメインの事業として展開しています。


-なぜもともとダンボールをはじめとする紙素材に着目したのですか

カミカグは私が大学院時代に研究活動の一環で生まれたものです。私個人は当時都内を中心に7回の引っ越しを経験し、その度に、より持ち運びやすく、いざとなれば処分も容易な、新しい家具の選択肢が作れないかということを思案していました。

そのような中で軽量で環境負荷も小さい、リサイクル率の高い素材として注目したのがダンボールです。当時、東京オリンピックの選手村でダンボール製のベッドが導入されたことがニュースになり、ダンボールのインテリアへの応用の可能性が認知され始めたタイミングでした。

建築学を学んでいたバックグラウンドから、より「ダンボールっぽさ」を超えた、強靭でデザイン性の高いインテリアが作れるのではないか、ということを考え、3DCAD・デジタル加工などを使い、意匠性を強みとした、ダンボール製家具を研究し、事業化しています。


-なぜfurnyaブランドを始めたのですか?

我々が活動をする中で、時折耳にしたのがペット、特にネコちゃんの爪とぎとしてのニーズです。ダンボールを積層させて作るような製品は世の中に多くない中で、そのような製品として爪とぎが普及している業界というのは非常に特徴的です。

また、その中でも爪とぎについては①加工の選択肢が限られるため、デザイン性の幅が少ない ②研ぎカスによる掃除の手間が生じる という課題感が存在していることが分かりました。

我々は、製造からこのダンボールという素材に向き合ってきたからこそ、よりデザインに関して自由度の高い製品が作れます。また素材に関してもダンボールの物性や流通周りの知見から、研ぎカスが出にくいもの、より頑丈なものというところに対しては新しいものが作れるという確信がありました。

その中で作ったのがキャットセラーという商品です。キャットセラーの反響を受けて、今後はもっとネコちゃんとその飼い主の方の暮らしにおいて、求められる良いプロダクト・サービスを作っていきたいと考え、全面的に事業の方向性を集中させています。


-なぜfurnyaは他社と比べてデザイン性に強みがあるのですか

我々は建築家のデザインが入っていることも特徴的ですが、それ以上に建築家やプロダクトデザイナーにとって、実現したい形状やアイデアを実装できる製造側のノウハウを持っていることが最大の強みです。

分かりやすいところでいえば、我々はダンボール素材を中心に作っていますが、最終的なインテリアの品質を担保する観点では木などの他素材も柔軟に取り入れています。構造的に、機能的に、よりよいものを柔軟に使って設計に組み込んでいるところが他社にはないポイントかなと思います。

またキャットセラーは非常に薄い曲板の連結で構成されています。一見すると構造的に不安に見える薄さも、材質の選定、構造的な検討、耐荷重試験などを通してインテリアの品質で実現しています。ネコちゃんに嗜好性の高いダンボール素材を使いながらインテリアとしての十分な品質を担保することができるのは我々の大きな強みだと考えています。

-研ぎカスは他社のものに比べて出にくいと言えますか?

はい。材料については紙の材質から定量的に必要な坪量(㎡当たりの重量。ダンボールの強さを決める)を算出し、材料を特注しています。我々はダンボール×インテリアの専門企業だからこそ、適切な材料選定に関して自信を持っています。

-今後の展開について教えてください

爪とぎを中心として、よりこれまでなかったような新しい良質な製品を作っていきたいと考えています。キャットセラーで両面取替可能なものを実装しているように、これまでなかったような機能性と、我々の強みとなるデザイン性をもとに製品開発を続けて参ります。

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